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家相の基礎

八卦と方位

八卦考

易の八卦を八方位に当てる後天定位盤という考え方があります。家相で方位を八区画に分けて見るときの背景になっている枠組みです。

この頁の話

後天定位盤とは、易の八卦を八方位に当てはめる考え方です。家相では、家の中心(宅心)から見た八方位を区画として捉え、それぞれの区画に八卦の一つを対応させて見ることがあります。中心の求め方は家の中心(宅心)の取り方で扱っています。

対応は次のとおりです。北=坎(かん)、北東=艮(ごん)、東=震(しん)、南東=巽(そん)、南=離(り)、南西=坤(こん)、西=兌(だ)、北西=乾(けん)。

北東の艮は「鬼門」とも呼ばれる方位で、この記事のもとになった考え方の一つです。艮についての鬼門としての由来は鬼門とはで扱っています。南西の坤は、艮の反対にあたる裏鬼門の方位にあたります。鬼門・裏鬼門という呼び名と、艮・坤という卦の名は、由来の異なる別々の系統の言葉です。

八卦にはそれぞれ、山や水といった自然物を象徴する意味(象意)が割り当てられています。方位を見るときに、この象意も合わせて語られることがあります。象意の内容は、後で節を改めて一つずつ紹介します。

なぜそう言われるのか

八卦を方位に当てる考え方は、中国由来の易にさかのぼるとされます。日本では、この考え方が陰陽道や家相の枠組みに取り込まれ、江戸期から明治期にかけて家相書が広く流布する中で、大工の手引きとしても用いられてきたと考えられています。

後天定位盤という呼び方は、八卦を方位に配置する一つの並べ方を指します。北に坎、南に離を置き、そこから時計回りに他の六卦を配していく並びです。家相書に見られる方位の割り当ては、この並びを踏まえたものとされます。方位を語るときに卦の名で呼ぶ言い方は、この並びを前提にしているという点をおさえておくと、他の家相の記述も読みやすくなります。

八卦それぞれには、古くから自然物になぞらえた象意が付されてきました。坎は水、艮は山、震は雷、巽は風、離は火、坤は地、兌は沢、乾は天を象徴するとされます。方位に卦を当てることで、その方位に山のような性質、水のような性質といった意味を重ねて語る見方が生まれたと考えられます。

艮(北東)が山を象徴し、季節でいえば冬から春へ移り変わる境目にあたる、という説明も見られます。動きの少ない山が、静かに次の季節へと移ろっていく——そうした性質が、鬼門としての北東の位置づけとはまた別の系統から重ねられてきました。

どう見るか

実際の家相の見方では、まず家の中心(宅心)を基準に八方位を割り出し、そのうえで各区画がどの卦にあたるかを見ます。方位そのものの割り出し方は家の中心(宅心)の取り方で扱っています。

区画ごとの象意は、次のように語られることが多いとされます。北(坎・水)は静けさや流れ、北東(艮・山)は動きの少なさと境目、東(震・雷)は動きの始まり、南東(巽・風)は通り抜けるもの、南(離・火)は明るさ、南西(坤・地)は落ち着き、西(兌・沢)は潤いの集まる場所、北西(乾・天)は高く広がるものといった性質です。

こうした象意を、その区画に置かれた設備や部屋の性質と重ねて語る見方が家相にはあります。たとえば火を象徴する離(南)に火まわりの設備があること自体は、象意の上では自然な組み合わせとして語られることがあります。

ただし、象意はあくまで方位に重ねられた意味づけであり、それだけで吉凶を断じる根拠として使われてきたわけではありません。三所三備のように、具体的な設備の配置と結びつけて語られる場合と、象意だけが単独で語られる場合とがあります。

現代の住まいでの読み替え

現代の住まいでも、八方位で建物を区画して見るという枠組み自体は、家相の基本的な見方として引き継がれています。方位ごとの区画に何があるかを確認するときの、区切り方の土台になっているのがこの後天定位盤です。

現代の住宅性能の観点からは、象意そのものよりも、方位ごとの採光・通風・温度差といった実際の条件のほうが説明のしやすさに直結します。たとえば南(離・火)にあたる方位が明るいとされるのは、象意としての説明であると同時に、実際に南面が日照を得やすいという事情とも重なります。

八卦の象意を、住まいの快適さを説明する言葉として読み替える語り方も見られますが、これは古典の記述そのものというより、現代の住環境に合わせた解釈という位置づけになります。

間取り図を八区画に割って確認するという見方そのものは、家相を扱うサービスや書籍でいまも広く使われている枠組みです。区画の呼び方が「北東」なのか「艮」なのかは表現の違いにすぎず、指している内容は同じ区画を指しています。方位の名で語られていても、その背景に後天定位盤の考え方があることを知っておくと、記述の意味がつかみやすくなります。

お手元の間取り図では、どうでしょうか

玄関の方角と、水回り・建物の外形をあわせて拝見します

間取りの写真1枚で分かります

よくある誤解

八卦についてよくある誤解の一つに、卦を人物や家族に対応させる語り方があります。長男・次男といった家族構成や年齢との対応を語る資料を見かけることがありますが、ここで示す典拠にはそうした対応の記述が見当たらないため、この記事では扱っていません。

もう一つの誤解は、八卦の象意だけを根拠に、方位の吉凶を単独で断定してしまうことです。象意は方位の性質を語る言葉であり、家相の実際の見方では、玄関や水回りといった具体的な設備の配置と合わせて語られることがほとんどです。象意だけを取り出して吉凶を決める記述は、ここで示す典拠には見当たりません。

また、後天定位盤という呼び方から、これが唯一の並べ方だと誤解されることもありますが、易にはほかの並べ方も存在するとされます。家相で用いられているのは、そのうちの後天定位盤にあたる並びです。

マドラバの見立てではどこまで分かるか

無料の見立てが見ている範囲

マドラバの無料の見立ては、家の中心から割り出した八方位のうち、北東・南西の区画に玄関や水回りがあるか、建物外形に欠けがあるかを確認します。方位を八区画に割る点では後天定位盤の考え方が背景にありますが、艮や坎といった卦の名や象意そのものを判定材料にしているわけではありません。八卦の象意を踏まえた読み解きは、完全版レポートの範囲になります。

完全版レポートで扱うこと

  • 間取り図の各区画がどの卦にあたるかを、実際の方位に当てはめて示します
  • 象意と、その区画にある設備の組み合わせを読み解きます
  • 艮(北東)・坤(南西)以外の区画についても、象意を踏まえて確認します
  • 象意と三所三備を組み合わせた、総合的な読み方を示します

準備中です。まずは無料の見立てからどうぞ。

典拠



易の八卦を方位に当てる考え方(後天定位盤)。北=坎、北東=艮、東=震、南東=巽、南=離、南西=坤、西=兌、北西=乾

江戸期から明治期にかけて家相書が広く流布し、大工の手引きとして用いられたとされる出版事情

文献名までは特定していますが、原文・頁の照合は行っていません。表記を「〜に見られる」に留めているのはそのためです。

よくあるご質問

八卦は全部でいくつありますか

八卦は坎・艮・震・巽・離・坤・兌・乾の8つです。後天定位盤では、これらを北から時計回りに8方位へ配していきます。北=坎、北東=艮、東=震、南東=巽、南=離、南西=坤、西=兌、北西=乾という対応になります。家相ではこの8区画を基準に間取りを見ていきます。

艮(北東)はなぜ鬼門と呼ばれるのですか

艮を鬼門と呼ぶ由来は、丑寅という十二支の並びに基づく説明が知られており、後天定位盤における艮(山を象徴する卦)とは別の系統の考え方とされます。両者がともに北東という同じ方位を指してきた点で重なっています。詳しくは鬼門とはで扱っています。

家族の年齢や性別と八卦は関係がありますか

ここで示す典拠には、八卦と家族構成や年齢を対応させる記述は見当たりません。この記事では、方位と象意の対応にとどめて扱っています。そうした対応を掲げる資料も世の中にはありますが、ここで示す典拠のない話として、本記事ではあえて取り上げていません。

八卦の象意だけで家相を判断できますか

象意は方位の性質を語る言葉であり、それだけで吉凶を断定する記述は、ここで示す典拠には見当たりません。実際の見方では、玄関や水回りといった具体的な設備の配置とあわせて語られることがほとんどです。象意は、方位の性質を理解するための背景の知識として押さえておく位置づけです。

案内役のイラスト

広げる。合わせる。照らす。

間取り図を広げ、方位を合わせ、古典に照らす。
あなたの一枚を、順に拝見します。

登録不要・所要 約1分

間取りの写真1枚で分かります