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敷地と建物の要素

庭と植栽の家相

庭木考

建物の外側にある庭や植栽について、家相でどう語られてきたかを、樹種の吉凶ではなく手入れと日照・通風の面から整理します。

この頁の話

庭と植栽は、建物そのものではなく、建物の周りをどう保つかという「所作」の面で語られてきました。家相の古典が重んじてきたのは、特定の木を植えるか植えないかという判断そのものよりも、敷地がどれだけ清潔に、明るく、風通しよく保たれているかという状態です。

戸建ての庭には、前庭・裏庭のような広い庭のほか、建物に囲まれた小さな坪庭、敷地境界に沿った生垣など、さまざまな形があります。いずれも、建物本体ではなく、敷地の外側をどう整えるかという点で共通しています。

家相書には、鬼門・裏鬼門にあたる場所を掃き清め、明るく風の通る状態に保つことが心がけられてきたという記述が見られます。この考え方は、建物内部の玄関や水回りだけでなく、敷地の外構や庭にも自然に及ぶものとして読むことができます。

この記事では、庭や植栽が家相のどの考え方と結びついて語られてきたのか、そして現代の住まいで日照や通風の調整としてどう読み替えられるのかを、典拠に沿って整理します。特定の樹種を吉凶で断定する話は、ここでは扱いません。

なぜそう言われるのか

庭や植栽が家相で語られる由来をたどると、鬼門・裏鬼門を掃き清め、明るく風の通る状態に保つという教えに行き着きます。これは、竈・門・井・厠という、家の中で火や水を扱い人の出入りがある場所を、家の神が宿る場所として大切に扱ってきた考え方の延長にあります。

『陰陽道旧記抄』
竈、門、井、厠、者家神也

木造家屋が主流だった時代、庭の手入れが行き届いているかどうかは、建物本体の湿気や日当たりにも直結していました。庭木が茂りすぎて日差しを遮れば、その方位の部屋は暗く湿りやすくなります。逆に日差しを遮る木がまったくなければ、夏場の西日が室内に強く入り込みます。庭の手入れは、こうした住環境の調整という実利をともなう所作でした。井戸や竈のそばに草木が生い茂って手入れが行き届かなくなることも、当時は避けたい状態として扱われたと考えられます。

方位を測るときの基準は、易の八卦を方位に当てる後天定位盤に見られる考え方です。北東は艮、南西は坤というように、敷地のどの区画がどの方位にあたるかが定まれば、その区画の庭や植栽が鬼門・裏鬼門に重なっているかどうかを確認できます。

家相の古典が庭そのものの吉凶を細かく定めていない一方で、敷地全体を清潔に保つという教えが繰り返し説かれてきたのは、方位の吉凶よりも手入れのしやすさを重く見る記述だったと読むこともできます。

どう見るか

庭や植栽を家相の視点で見るときは、まず敷地の中でどの区画が鬼門・裏鬼門にあたるかを確認します。建物の重心を基準に八方位を割り振り、庭のどの部分が北東・南西の区画に入るかを図面で特定します。

次に、その区画がどう保たれているかを見ます。落ち葉や物置で埋まっていないか、日差しと風が通る状態を保てているか——古典が説いてきたのは、この状態そのものです。坪庭のような小さな庭でも、区画が特定できれば同じ考え方で確認できます。生垣や塀で敷地を囲んでいる場合は、その囲いが風の通りをどれだけ妨げているかもあわせて見る材料になります。

植栽については、樹種そのものより配置と手入れの状態を見ます。鬼門・裏鬼門にあたる区画に木が茂りすぎて日陰と湿気がこもっていないか、逆に建物に近すぎて根や枝が外壁にかかっていないか——こうした点は、家相の観点というより、住まいの維持管理として確認しておきたい内容です。植栽の位置を図面に書き込みながら確認すると、季節ごとの日照の変化もあわせて把握しやすくなります。

現代の住まいでの読み替え

現代の住まいで庭や植栽が意味を持つのは、日差しと風の調整という実利の面です。

落葉樹を建物の南側や西側に植えると、葉が茂る夏は日差しを遮って室内の温度上昇を抑え、葉が落ちる冬は日差しを通して室内を暖めやすくなります。これは特定の樹種の吉凶ではなく、落葉樹という種類が持つ性質を利用した、季節に応じた日照調整の工夫です。常緑樹を目隠しや風よけに使う場合は、一年を通して日差しを遮る点をふまえて配置を検討することになります。

風の通り道を庭木でどうつくるかも、現代の住まいでよく検討される点です。建物の外周に植栽を配置することで、夏場の風を室内に取り込みやすくしたり、冬場の冷たい風を和らげたりする効果が期待できます。

坪庭のような小さな中庭状の庭は、周囲を建物で囲まれた住宅でも採光と通風を確保する手段として使われます。鬼門・裏鬼門にあたる区画に坪庭を設ける場合も、掃除と風通しを保つという古典の教えは、そのまま現代の手入れの指針として読み替えられます。

お手元の間取り図では、どうでしょうか

玄関の方角と、水回り・建物の外形をあわせて拝見します

間取りの写真1枚で分かります

よくある誤解

よくある誤解が、特定の木を植えると凶になる、あるいは植えると吉になるという言い切りです。ここで示した典拠には、鬼門・裏鬼門を清潔に、明るく、風通しよく保つという記述はありますが、個別の樹種を名指しして吉凶を定めた記述は見当たりません。特定の樹木の是非を断定する話は、ここでは扱いません。

もう一つの誤解は、庭がまったく無ければ家相上の心配も無くなる、というものです。庭が無くても、敷地の外構や玄関まわりの手入れという形で、同じ「清潔に保つ」という考え方は当てはまります。庭の有無ではなく、敷地全体がどう保たれているかが、古典が重んじてきた点だといえます。植栽の種類や本数を細かく数えて吉凶を判じるような話は、ここで示す典拠の範囲では確認できません。

マドラバの見立てではどこまで分かるか

無料の見立てが見ている範囲

マドラバの無料の見立ては、玄関と水回り(浴室・トイレ・キッチン)が鬼門・裏鬼門にあたるか、建物の外形に欠けがあるかの3点を確認しています。庭や植栽は一切見ていません。敷地内のどの区画が鬼門・裏鬼門にあたるか、その区画の庭がどう保たれているかを間取り図から読み取ることは、無料の見立てには含まれておらず、完全版レポートで扱う範囲になります。

完全版レポートで扱うこと

  • 敷地内で鬼門・裏鬼門にあたる区画を図面から特定します
  • その区画の庭・植栽をどう保つとよいとされてきたかを示します
  • 日照と通風の調整として庭木をどう配置するかを扱います
  • 坪庭や生垣など敷地条件に応じた具体例をいくつか紹介します

準備中です。まずは無料の見立てからどうぞ。

典拠



鎌倉期『陰陽道旧記抄』の「竈、門、井、厠、者家神也」および江戸期の家相書(松浦東鶏『家相図解』『家相大全』ほか)に見られる、門戸を鬼門・裏鬼門に忌む説

易の八卦を方位に当てる考え方(後天定位盤)。北=坎、北東=艮、東=震、南東=巽、南=離、南西=坤、西=兌、北西=乾

文献名までは特定していますが、原文・頁の照合は行っていません。表記を「〜に見られる」に留めているのはそのためです。

よくあるご質問

特定の木を植えると家相が悪くなるというのは本当ですか

家相の古典には、鬼門・裏鬼門を清潔に、明るく、風通しよく保つという記述はありますが、個別の樹種を名指しして吉凶を定めた記述は見当たりません。特定の木の是非を断定する話は、ここで示す典拠の範囲では確認できません。庭木の種類よりも、手入れの状態を見る記述だと読むことができます。

庭が無い家(マンションなど)はどう考えればよいですか

庭が無くても、玄関まわりや敷地の外構を清潔に、明るく、風通しよく保つという考え方はそのまま当てはまります。庭の有無そのものより、敷地全体がどう保たれているかが古典で重んじられてきた点です。ベランダや玄関先の植木鉢の手入れも、同じ考え方で読むことができます。

落葉樹を植えると家相によいのでしょうか

落葉樹は夏に葉で日差しを遮り、冬は葉を落として日差しを通すという性質があり、日照調整の工夫として現代の住まいでも使われます。これは樹種そのものの吉凶ではなく、落葉樹という種類が持つ物理的な性質にもとづく説明です。植える方位によって効果の出方も変わってきます。

坪庭は家相でどう扱われますか

坪庭そのものを名指しした古典の記述は見当たりません。ただし敷地内でその位置がどの方位にあたるかを確認し、清潔に、明るく、風通しよく保つという考え方は、他の庭と同じように当てはめて読むことができます。囲まれた立地でも通風と採光を確保する工夫として扱われます。

案内役のイラスト

広げる。合わせる。照らす。

間取り図を広げ、方位を合わせ、古典に照らす。
あなたの一枚を、順に拝見します。

登録不要・所要 約1分

間取りの写真1枚で分かります