家相の基礎
家相は方位を頼りに間取りを見ます。ただし間取り図に描かれた北の矢印が、そのまま「家相でいう北」とは限りません。何を基準に測るのかを先に整理します。
一
「方位を測る」というと、コンパスを取り出して針の指す先を読むところを思い浮かべるかもしれません。しかし家相で扱う方位は、地図やコンパスがそのまま指す方位と同じとは限らないとされます。
家相で見る北は、天文学上の北極点を指す「真北」であることが多いとされます。いっぽう、方位磁針が指す北は「磁北」と呼ばれ、地球の磁場のねじれによって真北とは数度ずれているとされます。日本国内では磁北は真北よりも西へずれており、そのずれの大きさは地域によって異なり、那覇でおよそ5度、東京でおよそ7度半、札幌でおよそ9度、北海道北部ではおよそ11度に達するとされます。
間取り図に描かれた北の矢印がどちらの北を指しているかは、図面によって異なります。建築確認申請に使われる図面は測量にもとづいて真北を示すことが多いとされる一方、簡易な間取り図や不動産の資料に添えられた方位記号は、磁北をそのまま採用している場合もあるとされます。
方位の割り方にも複数の流儀があります。もっとも広く使われるのは、東西南北を基準に円を8つに分け、それぞれ45度ずつを一つの方位とする8方位の取り方です。これに加えて、十二支を用いてさらに細かく24方位に分ける取り方も伝わっています。
二
家相で真北を基準とすることが多いとされるのは、方位の吉凶を八卦や暦の体系に結びつけて考えてきた歴史によるとされます。易の八卦を方位に当てる後天定位盤では、北に坎、北東に艮、東に震、南東に巽、南に離、南西に坤、西に兌、北西に乾があてられます。これらは天球上の方位を基準とした体系であるため、家相の方位もこれに準じて真北を基準に考えられてきたとされます。
いっぽう、方位磁針が指す磁北は、地球内部の磁場によって生じるもので、真北とは別の原理で決まります。磁場の向きは地域や年代によって少しずつ変化するため、磁北と真北のずれ(偏角)は場所によって異なり、同じ日本国内でも那覇のおよそ5度から北海道北部のおよそ11度まで幅があるとされます。この偏角は年々わずかずつ動いており、固定された数値ではないとされます。
古い時代の方位盤(羅盤)を用いた測定でも、磁針の指す方位をそのまま使うか、天体観測などで補正した方位を使うかによって、割り出される方位がわずかに変わり得たと考えられます。江戸期から明治期にかけて家相書が広く流布し、大工の手引きとして用いられたとされる出版事情のなかで、測り方の細部まで統一されていたとは限らないとされます。
現代の測量や建築の分野では、真北を基準にすることが標準とされていますが、市販の方位磁石やスマートフォンのコンパス機能の多くは、初期設定で磁北を表示するようになっています。真北表示に切り替える設定がある場合も、それに気づかず磁北のまま読んでしまうことは少なくないとされます。
三
実際に間取り図から方位を読み取るときは、次の点を順に確認するとよいとされます。
まず、間取り図に方位記号が付いている場合、それが測量にもとづく真北なのか、方位磁石で測った磁北なのかを確認します。建築確認申請の図面や登記に添付された図面は、測量による真北を採用していることが多いとされる一方、簡易な間取り図では出典が明記されていないことも珍しくありません。
次に、方位記号が磁北を基準にしていると分かった場合、またはどちらか不明な場合は、真北との差(偏角)を踏まえて数度分をずらして読むという考え方があります。日本国内であれば西へおよそ7度前後というのが大まかな目安とされますが、那覇のおよそ5度から北海道北部のおよそ11度まで地域差があり、正確な角度は年によっても変わるため、より正確を期すなら公的な地磁気の資料で確認する方法があるとされます。
方位の割り方については、八卦をあてる8方位のいずれの区画に建物の各部が入るかを、建物の中心から見て確認します。区画の境目に近い場合は、より細かい24方位の区分でどちらに近いかまで見ることもあるとされます。
四
現代の住まいで方位を確認する際は、スマートフォンのコンパスアプリを使う人が増えています。多くのアプリは初期設定で磁北を表示するため、そのまま使うと家相でいう真北とは数度のずれが生じる可能性があるとされます。
一部のアプリには「真北表示」に切り替える設定が用意されていることもあります。設定を確認し、可能であれば真北表示に切り替えたうえで測るという方法が考えられます。
また、新築やリフォームの際に用いる建築図面には、測量にもとづく真北の方位記号が記載されていることが多いとされるため、手元にその図面がある場合は、コンパスアプリより図面の方位記号を優先して読む考え方もあります。
数度程度のずれであれば、建物の中心から見て方位の区画の真ん中に位置がある場合は、判定が変わることはほとんどないとされます。いっぽう、方位の境目に近い位置にある場合は、真北か磁北かで属する区画そのものが変わり得るため、注意が必要とされます。
スマートフォンの機種やOSのバージョンによって、真北表示への切り替え方は異なります。設定項目が見当たらない場合は、地図アプリ側の方位表示や、日中の太陽の位置から大まかに真北を推測する方法を併用する考え方もあるとされます。
五
間取り図の方位記号をそのまま鵜呑みにしてよい、という理解は必ずしも正確ではないとされます。図面の出所によって、真北を示しているか磁北を示しているかが異なるためです。
また、数度程度のずれなら家相の判定に影響しないと考えるのも、早計だとされます。方位の区画の境目付近に建物の各部がある場合は、このわずかな差で属する方位そのものが入れ替わることがあるとされます。
家相のすべての流派が真北を基準にしている、という理解も一律には言えないとされます。方位の基準の取り方じたいに、流派による幅があるとされます(流派によって言うことが違う理由)。
磁北のまま測っても、家の中心付近に建物の各部がまとまっていれば、真北で測った場合と結論が変わらないことも多いとされます。逆に、間取りが方位の境目に集中している家では、真北・磁北のどちらで測るかによって、見立ての結論自体が入れ替わりかねない点に注意が必要だとされます。
六
無料の見立てが見ている範囲
マドラバの無料の見立ては、間取り図から読み取った方位記号をもとに、玄関と水回りが鬼門・裏鬼門にあたるか、建物の外形に欠けがあるかを機械的に判定しています。この判定では、方位記号が真北・磁北のどちらを示しているかの補正は行っていません。方位の境目に近い間取りでは、実際の真北との間に数度のずれが生じている可能性がある点をご了承ください。
七
準備中です。まずは無料の見立てからどうぞ。
八
易の八卦を方位に当てる考え方(後天定位盤)。北=坎、北東=艮、東=震、南東=巽、南=離、南西=坤、西=兌、北西=乾
江戸期から明治期にかけて家相書が広く流布し、大工の手引きとして用いられたとされる出版事情
文献名までは特定していますが、原文・頁の照合は行っていません。表記を「〜に見られる」に留めているのはそのためです。
九
家相では天文上の北である真北を基準にすることが多いとされます。方位磁石やスマートフォンのコンパスが指す磁北とは、日本国内でおよそ5度から11度前後のずれがあるとされます。手元の間取り図が測量にもとづく真北を示しているか確認し、磁北しか分からない場合は、この差を踏まえて数度分ずらして読むという考え方があります。
日本国内では、方位磁針の指す北(磁北)は真北よりも西へずれています。ずれの大きさは地域によって違い、那覇でおよそ5度、東京でおよそ7度半、札幌でおよそ9度、北海道の北部では11度ほどになるとされます。この偏角は年々少しずつ変化しており、全国平均で過去50年ほどのあいだに西へおよそ1.4度動いてきたとされるため、固定された数値として覚えるより、その時々の公的な資料で確認するのが確実だとされます。
8方位は、東西南北を基準に円を8つに分け、それぞれ45度ずつを一つの方位とする取り方です。これに十二支を組み合わせ、より細かく24方位に分ける取り方も伝わっています。方位の境目に近い場合は、より細かい区分まで見ることがあるとされ、判定の精度に関わってくるとされます。
マンションでも、建物の中心から見た方位の考え方は変わらないとされます。ただし、部屋の窓の向きと建物全体の向きがずれていることもあるため、専有部分だけでなく建物全体の平面図から方位を確認するとよいとされます。管理組合が保管する図面には、測量にもとづく真北が記載されていることが多いとされます。